1. ホーム
  2. 登記に関するQ&A

Q.41 地図2

質問
地図は、表示登記においてどのような役割をもっているのか。

回答

不動産の表示登記制度は権利の客体となるべき土地及び建物の物理的状況を登記簿上において特定して、明確に公示する制度である。これを土地についてみると、土地の登記簿の表題部には、土地の所在、地番、地目、地積を登記することとされている(法34条)。
しかし、これらの登記事項だけでは、位置、範囲、形状等をあきらかにすることはできない。


よって不動産登記法は昭和35年一部改正により各筆の土地の区画及び地番を明確にした地図を登記所に備えることとした(法14条)。この地図は登記簿の記載とあいまって、各筆の土地の区画及び地番を明確にするという機能をもつものである。これは登記において観念的に示されている各筆の土地の区画線を現地において現実に示すものである(現地指示能力)ということであり、換言すれば隣地との筆界が不明になったときにその区画を復元できる能力(現地復元能力)を有しているということである。


地図がこのような機能を果たすためには、土地の区画、すなわち、筆界点の位置を求めるための基準となる点(図根点)が存在し、これらが地図上にも表示されていることを要し、さらに、筆界点が図根点からの距離と方向によって一定の精度で現地に示すことができるものでなければならない。不動産登記法が予定するいわゆる法14条地図の具体的な基準(要件)については、規則(10条、13条)によって定められている。


ところで、現在、登記所に備え付けられている法14条の地図の大半は、国土調査に伴って送付された地籍図である。このほか昭和35年の不動産登記法の一部改正前から、登記所で保管、管理されてきた旧土地台帳付属地図等のいわゆる公図が「地図に準ずる図面」として備えられている。この図面は、正確な現地復元能力は有していないけれども、相対的位置関係や土地の区画の概略を推定できることから、法14条地図の未整備な地域では地図が整備されるまでの間、これに代るものとして、不動産の表示に関する登記の処理や土地の取引等の資料として公開されるなど、法14条地図の役割の一端を担っている。