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Q.24 分筆抹消

質問
官公署の代位によって嘱託され終了した分筆登記が、後日誤りであったとして、当該官公署から代位による分筆登記の抹消の嘱託をすることができるでしょうか。

回答

官公署が代位によってなした分筆登記について、代位による当該分筆登記の抹消を嘱託することはできないと解されています。その理由として、官公署が代位権を行使して登記の嘱託をするに当たっては、官公署の土地の所有者に対する債権を保全するための代位権が必要とされるところ、代位による分筆登記が終了した段階では、代位原因が存在しないと考えられるから、分筆の抹消の登記を嘱託することはできないと解されています。
 すなわち、代位による登記が認められるためには、当然のことながら代位原因が存在しなければなりません。
ところが、分筆登記が誤りであるという場合は、その態様はいろいろ考えられるとしても、官公署が所有者に対する債権を保全するための代位原因が存在しないということであります。
また、例えば東西に分割すべきを誤って南北に分割する分筆登記の嘱託がなされたような場合には、それを前提にして再分筆をする方法も考えられ、また誤って買収の目的とは異なる土地を分筆してしまったような場合についても、買収した土地についての登記請求権は依然として存在しており、その実現のために分筆登記の抹消をすることが理論上の前提とは必ずしもならないと解されているからです。
 実際上は、分筆登記の抹消の登記の代位嘱託ができれば便利であり、その必要性も理解できるが、これを認めることは代位嘱託の基本的な構造にふれることから、消極的に解するとされています。
 したがって、この場合は、所有者又は所有権登記名義人から分筆の抹消の登記を申請することとなっています。