支所だより 仙台支所研修会報告
仙台支所企画部長 斎 藤 良 一
平成15年11月7日、仙台支所研修会が勾当台会館で行われた。
支所社員54名の他、関係官庁から6名、塩釜支所、築館支所等他支所から6名、総参加者66名で開催された。
今回は、第1部『GPSによる基準点測量(ひより台地区観測結果報告)』というテ-マで鈴木洋一理事が発表し、第2部では『新しい河川計画の制度について』というテ-マで国土交通省東北地方整備局河川部 横山喜代太氏が講演を行った。
以下、講演抄録を記します。
【第1部 講演録】
テ-マ 『GPSによる基準点測量(ひより台地区観測結果報告)』
講師 鈴木洋一 理事
鈴木理事は、ひより台地区17条地図作製の内、2級、3級基準点測量をGPSにより行った中心的な方であり、講演では、観測計画から基準点埋設、観測、解析、点検測量までの一連の解説だけでなく、作業上のアクシデントや反省点もリアルに話され、実体験に基づく素晴らしい内容であった。
■ 観測計画、準備
- 事前の準備としては、住宅地図や2万5千分の1地図の他に、仙台市路政課から基準点網図を入手し、17条地図作製の範囲を確認しながら、それに適する既存基準点の状況確認を現地踏査により行った。地図類と現地踏査から判断し、合理的なセッションを組むようにして観測計画を立てた。ここで、合理的なセッションとは、器械の移動量を少なくする網を組むことである。
- ここで困った事は、あるべきはずの基準点が、5点のうち3点も亡失していたことだった。小学校の屋上にあるはずなのに、なくなっていたのだ。事情を調べてみると、すべての小学校等で耐震構造にするため、屋上に防水シ-ト状の被覆工事を行っていたのだが、このとき基準点に気付かずに亡失してしまったようだ。こういう点でも、基準点の管理をしっかりしていただきたいと思う。
- 使用するつもりだった基準点が3点もないため、新たに近傍で基準点捜しを行い、なんとか見つかり網を組むことができたが、当初予定よりは組む数が少なく、ぎりぎりのセッション数で行った。 ・ こうして、使用する既存基準点や新点の位置も決まり、選点計画が立てられた。 新点の基準点は、将来も工事等で壊されたりしないように露出型でなく、地下埋設式にすることにした。
- ここで困ったこと第2点が発生した。地下埋設式の場合、約1mも掘るのだが、あの地域は硬質岩盤であり、通常のピックでは掘ることが全くできずに立往生したことだ。そこで、発電機とともに大型のピックで、何とか1日2箇所を掘りつつ新基準点を設置していった。
- 観測は、1周波のスタティック法で行った。 大事な点は、観測前に衛星状態をチェックし、最も効率よく衛星から受信できうる観測時間を決めることだ。衛星数は、最低4個以上必要とされているが、私達の観測では、常に6個以上から受信ができた。
- またGPSでは、上空が空いていることが必須であり(地平線から15゜以上の確保)、必要に応じてアンテナ高を調整して観測した。最大で5m高にした箇所もある。
- スタティック法は、同時観測であることから、時間の管理にも気を使った。
また、1箇所で60分の観測が必要であるが、今回は余裕をみて、75分観測とした。因みに、30秒で1エポックデ-タをとることから、75分だと150エポックものデ-タを取ったことになる。 - デ-タの解析は、三次元網平均計算で行った。(因みに4級基準点測量はTSによる計算のため、厳密網水平・高低平均計算で行われている。)
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基準点(道路台帳基準点の点)をRTK―GPS、VRS、電子基準点を利用したスタティック法で観測し、道路台帳基準点の成果との点検を行ったので、その報告をします。
(この道路台帳基準点9点の内、1点が2級基準点であり、残りの8点は3級基準点です。)
- RTK―GPS
- 観測は、公共測量作業規定の、3・4級RTK測量の直接観測法で行った。
- このRTK―GPS(2周波)の素晴らしい点は、1箇所でFIX(初期化)に1分、観測に10秒しかかからないことだ。従って9箇所すべてを観測しても、往復の2回観測両方合わせても、90分という短時間で終わっている。
- また精度も抜群に良く、X、Yに関しては、スタティック法とほとんど変わらない。高さに関しては、若干の誤差があるが、今後の基準点測量にかなり使えるという感触をもった。
- VRS VRSは、一瞬で座標が求まるため、衛星の数や配置、GDOP等にかなり左右され、精度もばらつきがみられた。
- 電子基準点を利用したスタティック法 川崎、亘理、大和にある3箇所の電子基準点の成果をインタ-ネットから取得し解析してみた。ここで、既存の基準点でのスタティックによる観測では75分ではなく120分で行った。
■基準点測量を終えて ―反省点と今後のGPS有効利用に向けて―
- 反省点としては、4級基準点測量に関してですが、既存の基準点の使用を、平成8年頃にGPSにより設置された基準点と、昭和60年代に三角点からTSにより設置された基準点を混在させてしまったことです。
- また、もう一つの反省点としては、4級基準点(新点)の配置の仕方をその後に作業に入る1筆調査測量グル-プとよく協議をしなかったことです。
- GPS利用の今後についていいますと、こういった基準点測量に有効であることはもちろんのこと、仮換地における従前地の復元測量や図根点捜し、広域な土地での境界復元測量においても威力を発揮するのではないかと考えます。
【第2部 講演録】
テ-マ 『新しい河川計画の制度について』
講 師 国土交通省 東北地方整備局 河川部
建設専門官 横山喜代太 氏
横山喜代太氏の講演では、河川制度の変遷、平成9年に改正された新河川法の概要、その他水利権、水利用の歴史、各種許可手続きのこと等、河川に関する基本的な知識を私達にご教示していただきました。以下、講演の要旨を記します。
■河川制度の変遷
- 古代から日本では、灌漑や水田の施設を構築する技術があったことが知られている。中世から戦国時代にかけては、利根川・荒川等での堤防工事、武田信玄による信玄堤、豊臣秀吉による淀川の治水工事が有名であり、「水を治める者は天下を治める」といわれるほど、河川工事は国を治める根本と考えられてきた。江戸時代に入ると藩の財力を高めるため新田開発が積極的に行われ、また洪水対策と舟運のために、河川改修工事や貞山堀などの運河も開削されてきた。しかし、本格的に大規模な河川改修工事が行われるようになったのは、オランダ人技術者を招聘し、旧河川法(明治29年)が制定された明治時代になってからである。
- 日本における近代河川制度が誕生したのは明治29年ですが、この旧河川法は主に治水を目的としていた。昭和39年に制定された新河川法では、治水に加えて水系一貫管理制度の導入や利水関係規定の整備が図られた。
- しかしながら、その後の社会経済の変化により河川を取り巻く状況が大きく変化し、治水、利水の役割を担うだけでなく、うるおいのある水辺空間や多様な生物の生息・生育環境として捉えられ、また、地域の風土と文化を形成する川づくりが求められるようになってきた。
- このため平成9年に河川法を改正し、「河川環境の整備と保全」を目的に、地方公共団体や地域住民の意見を反映する手続きを導入する等が盛り込まれた。
- 改正前の河川整備計画では、河川管理者が自らの判断で策定していたが、改正後は、学識経験者、地域住民、地方公共団体の長からの意見も反映させ、環境を重視した河川整備計画が行われるようになった。
- 具体的な例として最上川水系河川整備の概要を見てみよう。「地域の人々のかけがえのない財産として、豊かな自然環境と良好な景観の保全に努めるとともに、活力あるふるさとづくりや舟運・河岸の歴史文化の継承・醸成が図られるよう努めること」とし、治水・利水・環境との調和のとれた総合的な河川整備計画がはかられている。このため、流域委員会や公聴会が開催され、その中で集約された住民の意見等が計画に反映された。
- 河川法の適用となる河川の水をある目的のために、継続的に利用する権利を水利権というが、水利権には、次のように許可水利権と慣行水利権がある。
- 許可水利権
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新河川法(昭和39年)の第23条に基づき、河川管理者から水の使用目的、使用量、期間等について、許可を得た水利権をいう。
- 慣行水利権
- 旧河川法(明治29年)が制定される以前から川の水を利用しているもの(農業用水など)について、許可を得たものとみなしている水利権をいう。
- 許可水利権
- 河川法では次のような場合、河川管理者の許可が必要となります。
- 河川法24条許可
- 河川区域内の土地を占用しようとする場合
- 河川法26条許可
- 河川区域内の土地に工作物を新築、改築、除去しようとする場合
- 河川法55条許可
- 河川保全区域内において土地の掘さく、盛土、切土等土地の形状を変更する行為、あるいは、工作物の新築や改築を行う場合