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編集後記

広報部長 伊藤博雄

 宮城公嘱NEWSもVOL.7の発刊です。法務局長が交代されたのでご挨拶をいただき、首長リレーは多賀城市長から丁重なるご挨拶を頂戴いたしました。
 本号の表紙を飾る「壺の碑」の写真は佐藤塩釜支所長が担当です。支所長自ら現地に赴き撮影、またその時に遠方から観光に来ていた老夫婦を、自家用車にて周辺の史跡案内をしたとのこと、塩釜支所長の「壺の碑」への思い入れは並ならぬものがあります。
 古の多くの歌人がこの碑を歌枕とし俳句を詠じている。「むつのくの 奥床しくぞ 思ほゆる 壺のいしぶみ そとの浜風」西行法師(俗名 佐藤(さとう)義(のり)清(きよ) ) 。なんと塩釜支所長のフルネームも佐藤義清である。

 世の中はまさに不況・デフレの真っただ中である。なぜ景気が上向かないのか。ここまでくると経済の素人といえども大変気懸りなことである。(なんでだろ~ぉ、なんでだろ~ぉ。)
 今の日本は、家計部門が貯金しても企業部門が一斉に借金返済にまわっているから、放っておくと家計の貯金は誰も借りて使わず銀行預金という形で滞留してしまう。そして毎回、家計が貯金する一部が貸し出されず銀行に滞留していくと、その分だけ支出が落ちて経済が縮んでいく。この家計が貯金して企業が借りなかった金は、企業の借金返済分を加えると年間40兆円近くあり、これが今の日本経済の総需要が完全雇用状態の総供給に及ばない状態で差が生じるいわゆるデフレギャップとなっている。物よりもお金を持ちたがる「お金持ち願望」こそがデフレを固定化する。そして、失業で労働力が使われないために、日本の潜在生産能力は変らないのにそこから50~100兆円も下回った分しか作ることができていない。国全体が生産能力があるのにもかかわらず、300万~400万人が失業して貴重な労働資源がムダになっている現状で「この失業している人たちをどう有効活用しようか」という発想が完全に欠落している。
 年金制度は団塊の世代が働いていたときは保険収入がいっぱい入るから、支給額もどんどん増やした。同じ仕組みで、団塊の世代がもらう側になったら、この仕組みはもつわけがない。
 バブル期よりも今の方がずっと円高だから、少々効率が良くなっても、今は負けるのが当たり前。日本製品の国際価格が高くなって競争力が落ちている。逆に円安だと安く輸出できるから勝つ。じゃあなんで円高かというと、経常収支の黒字傾向が強いからです。じゃあなんで経常収支の黒字かというと、日本人が一生懸命倹約をして物を買わないから輸入が減って黒字ばかり増えていく。だから生産性の問題ではなく、需要意欲の問題なんです。日本がリストラして中国より効率よく安く作っても、失業が増えて輸入が減るし、安いから輸出は増えるだから余計黒字が増えて為替調整でもっと円高になって、また中国に負けるだけ。
 倹約が効率化に結びつくのは景気のいいときだけで、不景気のときに倹約してしまうと失業する。失業して何にもしないんだから、それは労働力をムダに使っているのと同じ。なんにもしなくてもいい状況とか、お金を何にも使わずただ持っている、可能性だけ持っているという状況。物に対する欲望が出てこないような傾向が強くなるというのはますます恐い。
 バブルの崩壊で日本経済に存在している資産の額が急激に下がった。それでみんなお金がないと思っているから支出が増えない。だから、日本経済に存在している資産の額それ自体を膨らまさない限り解決策にならない。もう一度日本中の資産価値を上げるしかない。そのためには仕事を作ってみんなに働いてもらうしかない。なにもさせずにただお金をまくより、働かせてお金を渡すほうがいい。
 アメリカのバブルがはじけて不景気になると、アメリカがあんまり海外から物を買わなくなる。ということは経常収支が黒字化する。そうするとドル高要因になり、日本にとっては円安が進む。ということは国際競争力が上がる。
 地価・株価を上げる。今は経済に対して自信がないから、こんな低い値段になってしまっている。それで自信がなくて誰も投資しないんで、どんどん株価も落ちていくし、おまけに政府が構造改革で企業をつぶしていくからもっと安くなる。だから、不良債権を本当の意味で処理するには、株価や地価を増やす方向に政府が動かしていくしかない。そうしないでどんなに数字上で不良債権処理しようが、企業がつぶれるという処理である限りは資産価値が減るから、日本はもっと貧しくなる。だから本当に処理するにはつぶれない方向にするしかない。
 物価が上がっていくという、そういう動きそのものは消費を刺激する。明日も明後日も価格が上がっていくわけですから、今買わないと損だって早く買おうとする。確かにそれができたら需要は増える。それを極端にやったのが、何年か前の消費税の引き上げです。
 旧体質の企業と新体質の企業とが、それぞれ自分のところをいかに拡大するかを競い合ったら日本の景気は回復していく。乗数効果がなくても公共投資は労働力や遊休の設備の有効利用の観点から大切だし、同時に物の魅力、つまりいい物を作って需要を喚起することも重要。
 公共投資の元手になる国債の残高増大が、年金や社会保障に関わる将来不安を呼んで貯蓄を奨励している。将来の国債償還のプログラムの明示を中心に政府が信頼される必要がある。
 国内で需要をどんどん創る。ゴミ処理でも、河川の環境事業だって、まったくムダな公共事業ではなく、日本にとって少しでもプラスであることならなんだっていい。それで、なんだったら全部外国の資材を輸入したっていい。すると、日本の経常収支は悪化します。そうやって円安が起きるわけです。それによって、日本企業全般の国際競争力が回復する。そうすれば雇用が増えて、景気も回復して、ますます輸入も増えるからもっと円安になる。だから、大事なのは、そういう景気の上昇のサイクルを創っていくことです。
 と、まぁこんなところが不況・デフレの元凶と景気回復のポイントなそうである。なんでもいいからさ、早く景気良くなってよ!!

(参考文献『節約したって不況は終わらない。」著者 小野善康)
平成15年5月