協会の案内協会の情報公開表示登記Q&A登記基準点成果検索公嘱NEWSの紹介 協会の支所管轄関係団体リンク集 社員専用

編集後記

広報部長 大山明政

 宮城公嘱NEWSもVOL.5の発刊。それなりに感慨も新たなものがある。
 法務局長が交代され、法務局長からもご挨拶を戴き、また首長リレーも塩竃市長にいたり、同市長から丁重なるご挨拶を頂戴いたしました。
 本巻はメインを電子納品について絞り、社員諸兄にも、納入先の官公署の方々にも非常に参考となるものができ、保存版にしていただければと考えております。保存ということでは、宮城公嘱NEWSも当ホームページでバックナンバーを見ることができますので、アクセスしてみてください。
 また、元日本土地家屋調査士会副会長青野正昭社員よりも独立行政法人に関して投稿いただき感謝しております。
 このVOL.5でもちょっとした編集局長たる権限を利用してエッセイしてみるとしよう。今回は現代社会における現在時点の史的・相対的・位置的価値把握を試みる。
 これは日本が、われわれが、今後どのような行動をとればよいかを考えるためにぜひとも必要なことである。高校時代の数学のベクトルのことを思い出してもらおう。XYの2次元社会を想定すると、目標の座標〔人が人として社会的にも経済的にも精神的にも充実感をもって生きてられる理想的な社会〕と、現在の座標〔現在の史的・相対的・位置〕が把握できれば、おのずとそのベクトルが決定される。ベクトル(方向と力の大きさ)が決定されれば、われわれが今後どのような行動をとればよいかの判断材料になるであろう。「敵を知り、己を知らば百戦危うからず。」である。
 司馬遼太郎が昔、エッセイでこんなことを書いていた。「歴史は破壊・創造・維持の連続であり、英雄を待望する。」彼が扱った戦国期、幕末期はこの三つが凝縮して現出する歴史的転換点である。
 まず戦国時代から初めてみよう。尾張の小国は織田信長という世界に類を見ない英雄を輩出する。本来、人は歴史的背景をバックに生を受け、存在しているにもかかわらずこの英雄は、そうした歴史的背景の影響を受けず、鎌倉、室町と続いた封建的価値観を根底から破壊したのである。物も価値もすべてである。伊勢長島、比叡山延暦寺、石山本願寺にそれが典型的にあらわれている。織田信長は本当は破壊にのみ、貢献するだけの器ではなく、それに続く創造、維持へと続かせるだけの人並みはずれたキャラクターであると思っているが、如何せん本能寺において明智光秀に殺されてしまったのは、日本人にとってまことに残念でたまらないことではあるが?・・・・・。
 続いて、豊臣秀吉である。秀吉は新しき価値観を創造していった。中世封建社会から近代封建制度の建設がなされた。刀狩、太閤検地等にその実が見られる。太閤検地など、われらが土地家屋調査士制度が深く関係する現代地図制度にも連鎖する事柄ともなっている。
 徳川家康、「人生とは、重き荷を負うて遠き途を行くが如し。」の言葉に表れているように耐えて、堪えて、秀吉が創造した近代的封建制度の長期的維持のための処理を行った。この近代的封建制度の長期的維持のための処理政策は二代秀忠、三代家光とに亘って、補完され整備拡充されたのである。
 そして安定した徳川三百年が続いて幕末を迎える。破壊の担い手は吉田松陰等幕末テロリスト集団である。紙面の関係から、スピードアップしよう。創造の担い手は木戸孝充、西郷隆盛等の明治維新の遂行者達である。維持は明治政府の初期の人々で大久保利通、伊藤博文に代表される。そして明治、大正、昭和の富国強兵、植民地主義、帝国主義の戦前の繁栄を謳歌する。そして、繁栄の果ての軍国主義の崩壊へと繋がる。
 その破壊の担い手は当然にしてルーズベルトとトルーマンであり、アメリカである。創造もまた、マッカーサーに代表されるアメリカである。維持は吉田茂から佐藤栄作にいたる歴代政治家である。そして、平成3年までの日本の復興と繁栄は、世界を席捲するような勢いであった。ハーマンカーンは言った。「21世紀は日本の世紀である。」と。世界第2位の国民総生産になった。国民総生産、GNP何か随分と前の言葉で死語となってしまったのではないかと感じさせられる。
 そして「バブル崩壊」である。この判断をどのようにくだすのか。いまだに「バブル崩壊」は歴史となっていない。歴史とするためには、破壊が必要であり、その担い手が必要である。だから、破壊が中途半端となっている。本当は破綻しかけたスーパーも、破綻したゼネコン各社も現在残存していてはいけないのである。民事再生法の適用を受けたゼネコンが金利負担はなくなり、元本返済の大部分を免除され、一時的なみせかけの競争力を持って、他の普通に営業してきたゼネコンを打ち負かし入札するケースが増加している。不況期に普通であるのだから本来は優良な経営体質を持った企業であろう。そうした企業がこうしたことから経営を悪化せしめられている。
 日韓ワールドカップでがあるので、ここでバブル崩壊後の両国を観てみよう。日韓ともにほぼ同時期にバブルが崩壊して、不況に入った。韓国は不況を脱して、ブロードバンドが60%の普及率で、昨年から地価も上昇している。今日のNHKのテレビでやっていたが、なんと駅の端末で住民票が取れるそうである。韓国は「破壊」を徹底してやったからである。
 ここまで述べるとあとはおのずと答えは出てくるのではないか。後は方法論である。
現在時点の史的・相対的・位置的価値把握から明日が見えそうである。
 皆さんにとっての「明日のためのその1」を考えましょう。
調査士を取り巻く環境の変遷についても、破壊・創造・維持の連続であり、その現在時点の史的・相対的・位置的価値把握がなされれば、「明日のためのその2」がわかるでしょう。

平成14年5月