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編集後記

広報部長 大山明政

 宮城公嘱NEWSもVOL.4の発刊となった。
 9月11日の世界同時多発テロ、狂牛病と不景気な日本に追い討ちを掛ける出来事が相次ぎ、恐慌前夜の呈である。前回の編集後記ではデフレスパイラルに言及したが、心の奥のどこかで今年の暮頃までには何とか出口が見えてくれればいいなあと思っていたが、世界貿易センタービルへの二機が世界を恐慌へと向かわせたみたいだ。本当に溜息しかでない今日この頃である。
 雇用不安、5%超の失業率、就職難等々雇用問題関連のニュースも暗い話題として毎日のように報道されている。そして現在は能力至上主義で、少しでも油断していると知らないうちにリストラされてしまうかもしれない。
 しかし、バブル景気の最中には、欧米諸国の経済評論家は戦後における日本の奇跡の経済復興は日本独特の雇用制度特に年功序列の賃金制度、終身雇用制度に起因すると分析していた。アメリカ、イギリス、フランス等の各国から日本的雇用制度の研修に来て、なんとか日本的雇用制度を欧米諸国に適用できないかと研究されていた。私が考えても日本の経済復興、バブル期までの経済繁栄は日本的雇用制度に負うところが大である。何故かというと日本的雇用制度は雇用を安定化させ、労働者の企業内での滅私奉公を実現せしめた。それは企業の発展へ連鎖し、集合的に株式会社日本の発展につながった。年功序列の賃金制度だから、20代、30代は賃金以上に働き40代後半からは逆に労働以上の賃金を貰っていた。それがまた、家族制度、教育制度と絶妙にリンクしていたので、会社のため一所懸命に働けば若い時は苦しくとも、子供が大学へ行く頃にはそれなりの所得となり、楽もできるといった具合であった。労働者も一所懸命に頑張るため、企業は利益を挙げ技術革新も進み、社会全体としても活気づき、繁栄を謳歌していた。その絶頂期が世にバブルとも言われた平成景気である。
 それがである。平成3年10月のバブル崩壊と共に変わったのである。思えば悪かったのは高すぎた土地の価格だけであった。しかし、土地の価格を半分にするといった間違った方向に走った。本当ならば土地価格を据え置いて、他の財の価格を10年で倍にする方向がよかったと思われる。しかし、インフレを恐れて、前者をとった。デフレスパイラルの初めとなった。この「失われた10年」の間に、日本人は明治以降に築いてきた社会としては良好な習慣、制度を又個人としては好まれるべき価値観、世界観を捨て去っていった。
 その結果、他人の幸福を妬み、他人の足を引っ張り、他人の不幸を喜ぶと言ったサバイバルの世の中になってしまった。崩壊する世界貿易センタービルをみてイスラム諸国の国民には拍手喝さいする人も多かったし、日本人の中にもアメリカの反映への妬みから、”やった”といった心情になった人も結構な数がいたとかなんとか、エッセイに掲載されていた。全く世も末である。
 もう一度、原点に立ち返って、社会としては良好な習慣、制度を又個人としては好まれるべき価値観、世界観を見直してはどうだろうか。このことは土地家屋調査士制度についてもいえるのではないかと思う。資格職業者を取り巻く世界でも、今までのものを否定するのが良いとされて、制度改革の嵐が吹き荒れそうである。単なる時流に乗ることだけを考えて行動すると大変なことになりかねない。今までの制度の社会的貢献等良さも見つめ直すことを一丸となって促していきたいものである。

平成14年1月