測量から登記まで 小野田町
古川支所長 浅野敏夫
公共用地取得の買収について、小野田町では平成11年度から公嘱協会が一連の業務を受託している。ここまでに至る経緯と当時の状況について説明したいと思う。
1.実施直前の状況と経緯
小野田町は昨今、薬莱山麓のリゾート開発が急速に進展し、周辺の道路拡幅工事が行われており、それに伴う公共用地取得による用地測量及び登記申請が発注されるようになった。
改めて述べるまでもなく土地家屋調査士は他人の依頼を受けて、登記の必要な土地、又は家屋に関する調査、測量、申請手続又は審査請求の手続をすることを業としており、土地又は家屋に関する調査、測量、申請手続を一連の業務としている。しかしながら、残念なことに上記について発注官公署の担当職員、あるいはその管理職の方々においても充分な理解は得ていない。そのため公共用地取得の買収の際に発注官公署から受託した測量コンサルタント会社等が作製した丈量図を基に作られた図面を提供され、土地家屋調査士が土地分筆登記を受託し、嘱託事件を申請しているのが現状であった。
小野田町においても例外ではなく、公嘱協会に業務を委託する以前は当然のことのように測量コンサルタント会社で作製した地積測量図が提供され土地分筆登記を依頼してくる状況であった。
そこで、公嘱協会という専門職能集団を周知していただくためにも十数年にわたり町役場に足を運び地道な営業活動を展開し、今日に至った次第である。
その営業活動とは、先にも述べたように調査、測量、申請手続は一連の業務であり公嘱協会は嘱託登記の専門職能集団であり、法人組織として受託処理できるのは、公嘱協会以外には、ないということの理解を求めてきた。また、測量士等が(官公署、個人を問わない)依頼をうけて不動産の表示に関する登記に必要な土地または、家屋に関する調査・測量すること及び地積測量図を作製することは土地家屋調査士法第19条第1項本文の規定に抵触するということを説明した。
2.業務の発注から成果品の納入まで
次に業務の発注から成果品の納入までの流れについて説明したいと思う。
まず、町の担当部署から(小野田町の用地測量、登記業務に関しては建設課)より公嘱協会宛に委託業務の見積徴収についての文書が届く。これに基づき見積書を提出する。この見積書は公嘱協会の理事長名で提出するわけであり、古川支所で役場に持参する際は、必然的に古川支所長へ委任する委任状も併せて持参しなければならない。提出した見積金額で決定すると随意契約により委託契約の締結となり、公嘱協会より委託契約書及びこれに付随する書類(着手届、業務工程表、届出書等)を作成・送付していただく。
委託契約締結後は、履行期間を確認し、一般業務同様、資料調査・現地調査からとりかかることになる。見積書を提出する時点であらかじめ、ある程度の調査業務は行っているが、要約書、地積測量図をもとに今後の業務(特に登記の申請手続)が円滑にすすむよう調査表を作成する。
調査表とは、路線の用地測量の場合筆数が多くなるため、登記簿より所在地番、地目、地積、所有者の住所・氏名、甲区以外の権利の有無、分割数、分筆予定地番等を一覧表にしたものである。これは、後に成果品として成果簿に綴ることになる。
次に法務局より閲覧した公図を読み取り、許容誤差の範囲の確認をする。
その後、現地に赴き国家基準点及び基準図根点の有無を調査し、多角測量を実施する。また、許容精度を確認し、復元測量に入る。現地における境界点は、仮杭(木杭)を設置する。
次に土地所有者及び隣接地所有者との立会となる。それにより1筆の土地全部の土地境界点を確認し、その後に買収する点、用地幅杭を確認してもらい役場の担当職員が所有者と協議のうえ、承諾を受けて本杭(コンクリート杭)を埋設する。
測量業務が終わると、分筆登記申請となる。登記用図面を作製し、町長印を押印していただく。抵当権あるいは根抵当権がある場合は、地積測量図を登記用の他にもう一部作成し、抵当権者(根抵当権者)へ届け一部放棄承諾書に承諾印をもらう。尚、一部放棄承諾書を抵当権者(根抵当権者)へ提出したり承諾印をもらうのは、役場の担当職員にお願いする。
次に調査書・申請書を作成し、分筆の登記申請に至る。法務局より分筆の登記が完了後、登記済証を受領し測量成果簿を作成する。
測量成果品として納入する品目は位置図、作業概要(多角測量、境界点等について)、座標面積計算書、逆トラバース計算書、座標リスト、土地調査表、土地登記簿謄本(全部事項証明書)、地積測量図・地形図、公図の写し・丈量図となっている。尚、測量成果品を納入する際、成果品を綴るファイルとして当協会で用意している名入りファイルは大変重宝している。
成果品納入後、公嘱協会より請求書、業務完了報告書、検査結果通知書を作成・送付してもらい、役場の担当職員へ提出する。
最後に町より公嘱協会へ委託業務金額が支払われ業務の一切を完了することになる。
また、現在引続き「町道源城滝庭線」の総距離560m両サイド拡幅及び新設工事に係る用地測量も依頼されており、業務進行中である。
以上のような流れで古川支所では、路線の用地測量、分筆登記業務を進めている。古川支所としてではなく、本協会と委託契約を交わしているため協会の職員の方々には、いつも急な書類の作成等をお願いすることになってしまうが、本協会との連絡を密にとることができ、また、本協会の現状を把握することができる。
3、今後の課題
今後の課題としては、随意契約を継続かつ、徹底するためにこれまでの業務の有無にかかわらず、官公署の担当職員には、公嘱協会という組織を充分理解していただけるよう、協会社員が営業活動を活発に推進していくべきではないだろうか。また、他人任せではなく、社員一人ひとりが公嘱協会という組織の責任で受託し、業績をあげ、公嘱協会の役割を果たしていくべきだと思う。
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