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編集後記

広報部長 柴田健治

 日本人は中国人に次ぎ歴史が好きな民族で、NHKの大河ドラマのファンも多い。
 特に時代背景として人気が高いのは、なんといっても信長や秀吉がいた戦国時代、次いで源平合戦、そして幕末あたりだろうか。
 昨年の大河ドラマは「義経」だったが、私も判官引いきの一人として、1年間楽しませてもらった。
 実際のところは義経悲話より、むしろ平家の栄枯盛衰に感慨をよせている。
 平清盛が敵兵である源氏の幼子達に、情けをかけて助けたことが仇となり、後の平家滅亡へとつながる、なんと皮肉で意外な展開であろうか。
 また、兄、頼朝からしても、たいした兵力もなく駆け参じた義経がこれ程の武勲をたて、幕府建設の妨げになるとは想定外だったに違いない。
更に当の義経や民衆も、兄、頼朝の意外な態度にさぞや驚いたことだろう。
 最近、「想定の範囲内」などという言葉が流行語になっているようだが、人間の心理として当初の予想を超えたとき、大変な事態に発展するということが多々あるようだ。  ところで、当協会も創立20周年を迎えることができ、関係者共々安堵しているかと思いきや、これまた想定外、昨今の改革ブームで重大な岐路に立たされている。
いつの世も、泣く子と地頭には勝てぬ、とすでに諦めている人々さえおる。
 元来、協会の設立は、役人のニーズによってできたといっても過言ではない。
 慢性的に人員不足だった法務省が民の力を借りて地図整備などの事業を押し進める目的で協会設立を認可したのである。
 なぜなら、それまでの嘱託登記事件はそれを受託したいと欲する調査士たちが発注官庁の担当課へ日参して個々に受託しており、その専門性と受注関係は至ってシンプルでスムーズであった。
けだし、当時の状況から、協会という組織のニーズはなかったと記憶している。
 それ故、発足当時運営を託された人たちのご苦労は大変なものであったと推察される。
 いかなる趣旨で作られようと一旦組織というものが立ち上がれば、しっかりと運営していかなければならない。
 自らの事務所と協会運営という二足わらじのなかで、難しい舵取りを余儀無くされ沈んでいった先達も見てきた。
 公益性と収益性の狭間で、配分をめぐっては紛糾し、業務開発ではコンサル業などと摩擦が生じ、まさに内憂外患の20年であっただろう。
 そして20年が過ぎた今日、全調査士の3人に2人までが加入し、嘱託登記事件のほとんどを手掛けるまでに成長してきた。
 もっとも当時、大臣認可の報酬額規定からいって協会の寡占化は必然であったと思われるが、成長の秘訣はそればかりではない。
 やはり最終的には、お客様(発注官庁)から認知していただいたことが大きな要因であろうと考える。
 役人が、自分達の手間として作った組織は今、彼らの「想定の範囲」を遥かに超え数々の実績を残すまでに成長してきた。
 果たして、そのことが彼らにとってどのように映るのか、役目の終わった義経のようにならないことを祈るばかりである。