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合併後の石巻市の立会業務

石巻支所所属協会広報副部長 今野 功

1、はじめに
 平成8年度よりスタートした、旧石巻市より受託した境界立会業務は、満9年を過ぎました。振り返ってみれば当初、この業務に携わる社員の気持ちとしては、正直のところ官側の立場でどのように対応していったら良いか不安の思いが先行していました。 そこは、やはり土地家屋調査士というライセンスを取得した、プロフェショナル集団として、石川寛敏支所長を中心に社員一同境界確定業務を鋭意遂行してきました。
 因みに、旧石巻市より受託した境界立会業務の経緯は、2000年発行の「宮城公嘱NEWS・VoL.1」の支所だよりに詳細に掲載していますのでご参照願います。
 石巻地方は石巻市を中心に九町「河南町・河北町・桃生町・雄勝町・北上町・牡鹿町・矢本町・鳴瀬町・女川町」のいわゆる一市九町の地域から成り立っています。
 国が定めた「市町村の合併の特例に関する法律」は、1965年(昭和40年)3月29日法律第6号により、10年間の時限立法で公布施行しました。その後2回延長し、1995年(平成7年)に大幅な改正を行い、さらに10年間の延長による期限が2005年(平成16年)3月末まで合併することで、財政の手厚い支援を受けられる、いわゆる「平成の大合併」は石巻地方においても、合併により新たに二市が誕生しました。
 この結果、石巻地方の行政区域は次のように再編成となりました。
 平成17年4月1日合併によりの行政区名は表のとおり再編成した

合併後の新行政名合併前の行政名
石巻市石巻市・河南町・河北町・桃生町・雄勝町・北上町
・牡鹿町 ※一市六町の合併
東松島市矢本町・鳴瀬町 ※二町の合併
女川町女川町 ※女川町は従前どおり
 新・石巻市としては、合併前の公嘱協会石巻支所と行ってきた、境界立会い業務は従前どおり継続の方針を選択しました。
 石巻支所としては、土地の境界査定の専門家である、土地家屋調査士の本職からすれば大歓迎として受け止めました。

2、合併前の受託した立会い件数        各年度4月1日~3月31日

年 度 別受託立会い件数備  考
平成8年度240件平成8年4月1日からスタートした
平成9年度183件
平成10年度181件
平成11年度175件
平成12年度149件
平成13年度117件
平成14年度101件
平成15年度100件
平成16年度89件合併後の新市の名称を「石巻市」とする
 ※立会い件数は石巻支所資料

3、合併後の新・「石巻市」の立会い関係の組織と受託した立会い件数
 ・合併後の新市の名称「石巻市」となり、旧「石巻市」の名称を採り入れた。
 ・組織は本庁と6総合支所(旧6町)からなる
 ・6総合支所の名称
   河南総合支所、河北総合支所、桃生総合支所、雄勝総合支所、北上総合支所
   牡鹿総合支所
・立会い関係組織
   ◇本庁「道路課用地グループ」 ◇河南総合支所「建設下水道課」
   ◇河北総合支所「建設課」 ◇桃生総合支所「建設課」
   ◇雄勝総合支所「建設課」 ◇北上総合支所「建設課」
   ◇牡鹿総合支所「建設課」
 ・合併後の受託した立会い件数        平成17年4月1日~10月末現在

合併後の「石巻市」の面積555.36(k㎡)
旧庁区域受託立会い件数  
本庁(旧石巻市)47件137.04(k㎡)
河南総合支所(旧河南町)19件69.33(k㎡)
河北総合支所(旧河北町)14件125.09(k㎡)
桃生総合支所(旧桃生町)8件43.82(k㎡)
雄勝総合支所(旧雄勝町)6件46.12(k㎡)
北上総合支所(旧北上町)5件60.98(k㎡)
牡鹿総合支所(旧牡鹿町)6件72.98(k㎡)
合 計99件
 ※立会い件数は公嘱協会石巻支所資料  ※面積は石巻市資料

4、合併後の境界立ち会い業務について石巻市より取材した状況
 新・石巻市に合併し7ヶ月になることから、市担当課へ合併後の境界立会い状況等の取材したことについて、以下のとおりまとめてみました。
イ、 合併後の境界立会い業務の現状
旧一市六町の合併により、市域が約4倍と広く拡大したが、境界立会い業務の市民サービスは、従来どおり本庁道路課と6総合支所で、各区域の管轄区域を受け持つことで、サービス水準を維持することにした。
 旧石巻市では、平成8年度から行っている境界確定事務の一部を、社団法人宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会石巻支所に委託している方式を、新市においても引き続き取り入れて統一化を図ることとした。
この方式の周知を図るため、本庁及び6総合支所担当者それに委託先の公嘱協会石巻支所担当者が、一同に会し打合わせをしたのが4月の繁雑した中でした。
打合わせの中で、例えば、市民より提出される立会申請書は、本庁及び6総合支所の担当窓口ならどこに申請しても受理し、市民に対する利便性の確保に努めると言ったような話し合いであった。
 実際の運用に当たって、これまでは旧町においては、職員自ら立会い業務を行ってきたことから、初期段階では事務処理に若干の戸惑いがあり、本庁への照会や説明が再三必要としたが、2~3ヶ月経過したころには順調に事務処理がされているとのこと。
 取材の中で境界立会件数のことについて伺ったところ、社会情勢(景気)の動向に大きく左右され、又、季節変動にもよるが、市域の拡大したことにより、旧石巻市における年間立会件数の約2倍の件数が見込んでいるようだ。
ロ、 立会い業務の効果
取材の中で、立会い業務の効果について伺ったところ
 境界確定は、申請者(土地所有者)と市との互いの財産管理が適正になるように行わなければならず、このためには関係資料の収集と、その資料の分析により、課題があればその検討を行い、最適な選択と決定が一定期間内に求められます。
 しかし、近年、国を始め地方自治体も行財政改革は避けられず、一人の職員が複数の業務を受け持つなど、効率的な業務体質となることを求められている。
 一方、市民の権利意識の高まりや、環境問題の複雑化が相まって、慎重かつ最適な判断が要求されている。
 このような状況を解決するためには、境界確定に関し専門家集団である宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会石巻支所に委託することにより、永続的に高い信頼性を確保できることが、市全体として有益であると考えている。
 9年間の委託実績は、境界の専門知識を習得した土地家屋調査士の方々から、様々な境界問題の解決方法を教示されたことは、担当職員の資質向上にも相当の効果が生まれ、事務処理の迅速かつ適正処理が行われてきた。これらの境界確定の図書は永年保存され市民の有形無形の財産として、今後も市民の期待を満たす有効な手段と感じていると言うようなお話しでした。
    この取材は平成17年10月14日石巻市建設部道路課用地グループに取材したものを記事にした。

5、おわりに
 新・石巻市は、旧・石巻市と旧6町の合併により、旧市のエリア約137k㎡の約4倍の広さ約555k㎡と、人口も約17万2千人の広域となり、正に石巻地方の中心の都市に生まれ変わりました。
 合併後7ヶ月経った10月末現在で、境界立会受託件数は99件となっています。
 合併前と対比しても、合併後の立会い件数は増加していることから、17年度末までは更に増える傾向と推測できます。
このようなことから新・石巻市においても旧石巻市同様に、境界立会い業務を任されたことは、我々土地家屋調査士が、土地境界に関する専門集団として、認知された事の証しではないかと思います。
 平成17年10月現在石巻支所社員数は19名います。新・石巻市の境界立会い業務を支所社員全員で、旧市同様引き続き行うことは、石巻行政の一翼を担う事ではないかと自負し、土地家屋調査士として、更なる業務の研鑽に務めて行くことが大事であると願っています。