上昇気流を求めて
第2代理事長 青 野 正 昭
協会設立の背景
昭和47年官公署が実施する各種公共事業に関連する大量な嘱託登記事件を処理する目的で土地家屋調査士・司法書士が合同して嘱託登記事権を受託する組織として嘱託登記委員会が組成された。
嘱託登記委員会は、全国各県ごとに組成され、その中に地区委員会を置き、直接登記事件を処理する受託団で構成されておりました。
しかし、嘱託登記委員会は[人格名記者団]で法人格を持たないために、会計法上の契約締結についての制約と責任体制が確立していないとの二大障壁により業務受託活動に困難を来すところとなりました。
全国公共嘱託登記連合委員会、日調連、日司連において法人格取得の議論がなされ嘱託登記委員会設立後14年を経過した、昭和60年6月28日法律第86号を持って、調査士法・司法書士法の一部を改正してそれぞれ民法第34条に根拠を置く二元での社団法人として成立致しました。
宮城会での対応
調査士法改正を受けて、宮城会としては法人設立に向けての準備を進めると共に、嘱託登記委員会の解散に向けての清算作業を実施することになった。
期日の制約を受けての作業であったため当時の担当役員には結果的に大変難儀を強いることになりましたが、昭和60年11月14日設立総会を開催、初代理事長として伊藤正勝調査士会会長を選任、同年11月21日法務大臣宛設立許可申請書を提出、昭和61年1月10日設立許可書が発行された。それを受けて同年1月18日仙台法務局へ法人設立の登記申請を行い滞りなく一切の法人設立に向けた作業が完了しました。
理事長に就任して
昭和61年5月7日第1回目の通常総会が昭和61年5月7日「ろうふく会館」で開催され、その総会において役員改選がなされた、初代伊藤正勝理事長から引き継いだ形で理事長を拝命することになり、以来平成元年5月12日開催の第4期通常総会開催日まで理事長職を勤めさせて頂くことになりました。
何せ創業期でもあり、第1に嘱託登記発注官公署に私ども公嘱協会制度を理解して頂くこと。第2に公嘱協会設立まで一元組織であったものが、二元化組織として誕生したので司法書士協会との連携をどうするのか。第3に嘱託登記事件受託の拡大に向けての制度広報と組織の充実が主な命題でありました。
第1も問題点については、仙台法務局の理解を得て、仙台法務局長から嘱託協会の推薦文をいただき嘱託登記発注官公署へ担当役員がそれぞれ出向いて協会設立趣旨とこれまでの契約の隘路であった会計法上の問題が解決された旨の説明をして発注をお願いし、又仙台法務局で催される諸官公署の嘱託登記担当者会同にも出席し、公嘱協会組織について説明をさせていただきました。
第2の問題点については、嘱託登記委員会時代は、調査士・司法書士が一になり嘱託登記事件を受託してきたものが、嘱託協会では別個の組織となったために、発注官公署に迷惑をかけない登記処理体制をどう構築するのかが司法書士協会と議論がなされ、共同受託に関する覚書を締結しました。
第3の問題点については、受託組織をどうするのか、国鉄清算事業団からの業務発注依頼が協議されている。また、全公連の中では、各ブロック単位で地区内を組織した連絡協議会が設立されている状況下にありました。それは、各単位協会が単独行動で出来るものと地区が一体となり活動するのがより効率的であると考えからなされたものであります。
懐 古
旧調査士会館の玄関を入ったすぐ右側の木製の引き戸を開けるとそこが協会事務室である。元調査士会長、司法書士会長用のスチール製両袖机が2卓とはめこみ式の本棚があり、四人くらいの入室で手狭となる狭隘な空間、窓は2面についているも、昼でも薄暗く蛍光灯を執務時間内は点灯する必要がある。協会事務は、理事者と調査士会事務局のお手伝いを得ながら進めていましたが、パート勤務で女性事務員を経理事務処理のために雇用、事務用機器としてはワープロとファクシミリが主流でありました。そんな環境で、当時の協会役員各位は、手当も十分なものではないかな、調査士協会の確固とした制度基盤を作るために鋭意努力をしていただきました。
「調査士会員全員協会加入・業務実績1億円」を理事長就任の当初から目標に立てたものの、双方とも理事長在任中には実現を見ないまま、小林良郎理事長へと引継ぐと事になりました。
むすびに、本稿を書くために議事録を協会事務局より取り寄せ読んでみますと、なつかしい諸先輩のお名前を拝見して感慨ひとしおのものがあります。中には既に調査士会を退会なされた人々もおり、ご健勝で過ごされていられることを願うものです。
20周年を節目として、昨今行われている行財政改革、地方分権推進と不動産登記法・土地家屋調査士法等諸法規の改正などさまざまな変化の波が押し寄せている中、私ども嘱託協会が活躍し上昇気流を求め、かつ、それに乗っていける素地を固める大切なときだと思います。
制度制定30周年に向けて、調査士会・公嘱協会が一つとなり、更なる飛躍がなされることを祈念致します。