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GPS-PT委員長 伊 藤 博 雄

 近年の地積測量図作製に係わる不動産登記法改正及び関連の測量法改正は、以下のとおり著しいものがあります。
 平成14年4月1日に改正測量法が施行され、公共測量は「世界測地系(測地成果2000)」による基本三角点等の座標値に基づいて測量することになりました。
 平成15年12月9日には、法務省民事局民事第二課長からの法務省民二第3641号により、「測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記の取り扱いについて(通知)」が、法務省民事局民事第二課補佐官からは同日付けにて『「測量法及び水路業務法の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務処理実施細目」に基づく登記事務処理について』が発出され、世界測地系による測量及び地積測量図作製についての協力要請がありました。
 本年3月7日に改正不動産登記法が施行され、それに伴う不動産登記規則第77条1項7号は、地積測量図には「基本三角点等に基づく測量の成果による筆界点の座標値(近傍に基本三角点等が存しない場合その他の基本三角点等に基づく測量ができない特別の事情がある場合にあっては、近傍の恒久的な地物に基づく測量の成果による筆界点の座標値)」を記録しなければならないとされています。
 平成18年3月までに施行される改正不動産登記法では、筆界特定登記官による筆界特定(第143条第2項)において、「筆界特定書においては、図面及び図面上の点の現地における位置を示す方法として法務省令で定めるものにより筆界特定の内容を表示しなければならない。」とされており、不動産登記規則第77条1項7号が準用され「座標値(国家座標に連結した座標値)を有する図面」の作製が求められることが予想さています。
 以上のように、世界測地系による測量及び地積測量図作製は時代の要請となっています。
 当協会では、高精度で作業効率良く世界測地系座標を取得し統一したものとする為にはどのようにすべきかを予ねて検討しておりましたが、「GPS測量機による世界測地系座標の取得が最良の方法」とのGPS活用等検討委員会の報告の後、GPS活用実行委員会による「GPS測量機導入した場合の利活用」の報告がなされ、平成16年9月3日の総会決議を経て、本年3月16日、1級GPS3台1セット(ソキア社製GSR2600)を購入するに至りました。
 当時のGPS活用等検討委員会からは、測量機器の導入は本来、社員個々にて行うことが基本ではあるが、成果の統一化は協会を挙げて積極的に図るべき必要性があり、その為には協会がGPSを導入し、それを活用し各支所にて随時に登記基準点(仮称)の設置作業を行い、社員の測量作業の統一化が図れるよう指導する必要がある。ということも報告されました。
 GPS活用実行委員会からは以下の報告もなされました。
 三角点の多くは山頂にあり、周囲に樹木が生い茂っていてGPS測量のたの上空視界の確保が非常に困難な場所にあるものが多い。また、市町村で設置した公共測量による基準点のうち都市部に設置されている基準点の多くは学校やビルの屋上にあり、その後の防水工事などにより亡失しているものも多い。このようなことから、三角点或いは公共測量により設置された基準点に頼らない体制作りが必要と考える。  また、VRSやFKPなどのランニングコストを負担しなくても、2級GPS(1周波)或いはTS観測により世界測地系(測地成果2000)座標が容易に取得できるよう、公嘱協会が1級GPS(2周波)受信機を購入活用し、1級相当の登記基準点を設置する必要がある。そして、公嘱協会として整合性のある成果での納品を目指すべきである。  このような、宮城県の全県下を組織的にカバーすることは個人事務所や民間会社では到底できないことであり、公嘱協会だからこそできるのである。当面各支所10点程度を目標に、電子基準点を与点としたスタティック観測により1級相当点(登記基準点)を設置し、その後は逐次各支所単位で増設していくことが肝要である。
 平成15年5月26日の宮城県沖地震と7月26日の宮城北部での内陸地震の宮城県連続地震で、測量の基準となる東北地方測量部の「電子基準点」が最大で16.4cmもずれていたことはまだ記憶に新しい。宮城県沖地震は、平均37年程度の活動周期で発生していると言われており、宮城県での大地震発生の可能性が年々高まっている。公嘱協会が登記基準点を設置することにより、地震による地域の地殻変動量が容易に把握でき、不幸にも被災した災害地域の復旧作業にも寄与できるものと考える。
 登記基準点のデータは、協会事務局にホストコンピュータを設置して蓄積・管理し、業務完了後の基準点のデータや境界データは随時ホストコンピュータに追加していく。点の記や座標データなどは、数値地図ソフトを利用して、地図上に埋め込み、コンピュータ画面で直ちに検索できるシステムを構築する。事務局のほか、各支所の事務所はホームページ上で必要なデータ検索ができるようにする。ことなど、GPS活用実行委員会からの報告は16Pにも及ぶものであるが、ここでは要旨部分のみを掲載する。
 土地境界立会い確定後の筆界点の測量を、電子基準点及び登記基準点に基づき測量することで高精度の測量が可能になります。一度確定した境界点については、亡失しても直ぐに同じところに復元が可能になります。このことは土地所有者間の境界の安定と不要な境界紛争の防止に大きな効果があり「予防司法」の観点からも重要なことであり、公嘱協会が登記基準点を設置することは公益に寄与することとなります。
 さて、本年3月16日、3台の1級GPSを購入したその日に、協会本部から2名、仙台支所から4名、他の7支所から各2名の合計20名の人員にて、GPSプロジェクトチームが組成されました。
 このチームの使命は、公共測量作業規程やGPS観測データ解析についての理解と技術の習得の研修を受け、その後に各支所で行なう1級登記基準点設置作業の技術担当者となることであります。また、支所社員に対する技術の指導及び伝達を順次行なうことも任務とされています。
 研修は、(株)ソキア販売・ヤシマ測器店のスタッフを講師として、第1回目は4月23日・24日に開催終了し、第2回目は5月14日・15日に開催することとしており、いずれも会場は茂庭荘となっています。
 今後のGPSの利活用を円滑に行う為の方策は、技術研修・成果管理・規則設置の三部門が各々担当しこの研修と同時進行で検討を行ない、9月の総会までには一定の成果をあげることとしています。委員一人ひとりの大いなる活躍をお願いいたします。