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公嘱協会と官公署等の「随意契約」について

研究委員会委員長  伊 藤 博 雄 

 社団法人宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会と官公署等の契約形態である「随意契約方式」について、その法的根拠等をここに整理した。

1,根 拠 
(1) 地方公共団体が随意契約を適用できる場合の規定として次の三つが該当する。 

  1. 『少額随意契約』 自治令第167条の2第1項第1号の規定によ る売買、賃貸、請負その他の契約でその予定価格が自治令別表第3に掲げる額の範囲内において、地方公共 団体の規則に定める額を超えないものとするとき。

  2.  都道府県及び指定都市100万円 
     市町村(指定都市をのぞく) 50万円
  3. 『不適条項』自治令第167条の2第1項第2号の規定による 契約の性質又は目的が競争入札に適さないものをするとき。
  4. 『有利な価格』自治令第167条の2第1項第5号の規定による時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる 見込みのあるとき。

(2)国が随意契約を適用できる場合の規定として次の三つが該当する。
  1. 『少額随契』 
  2.  会計法第29条の3第5項、予算決算及び会計令第99条7号、第102条の4第7号工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の貸借以外の契約でその予定価格が100万円を超えないものとするとき。
  3. 『不適条項』
  4.  会計法第29条の3第4項,予算決算及び会計令第102条の4第3号契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合又は緊急の必要により競争に付することができない場合において随意契約によろうとするとき。
  5. 『有利な価格』
  6.  予算決算及び会計令第102条の4第4号ロ、随意契約によるときは、時価に比べて著しく有利な価格をもって契約することができる見込みがあること。
    ※ 準用されるべきもの
     『公益法人との随意契約』予算決算及び会計令第99条第16号、第102条の4第7号都道府県及び市町村その他の公法人、公益法人、農業協同組合、農業協同組合連合会又は慈善のために設立した救済施設から直接に物件を買い入れ又は借りるとき。

2,妥当性 
『少額随契』
 国、地方公共団体も競争入札による事務手続のはんさ煩瑣性や経費面から、少額については随意契約を認めている。

『不適条項』
 判例

随意契約の意義と随意契約とすることの判断基準(昭和62年3月20日最判) 自治令(昭和49年政令第203号による改正前のもの)第167条の2第1項第1号に掲 げる「その性質又は目的が競争入札に適しないものとするとき」には、競争入札の方法によること自体が不可能又は著しく困難とはいえないが、不特定多数の 者の参加を求め競争原理に基づいて契約の相手方を決定することが必ずしも適当でなく、当該契約自体では多少とも価格の有利性を犠牲にする結果になる としても、普通地方公共団体において当該契約の目的、内容に照らし
1)それに相応する資力、信用、技術、経験等を有する相手方を選定し、
2)その者との間で契約を締結するという方法をとるのがその当該契約の性質に照らし又その目的を究極的に達成する上でより妥当であり
3)ひいては当該普通地方公共団体の利益の増進につながると合理的に判断される場合も該当するものと解すべきである。
4)そして、該当するか否かは、契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として普通地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている法令の趣旨を勘 案し、個々具体的な契約ごとに当該契約の種類、内容、性質、目的等諸般の 事情を考慮して当該普通地方公共団体の契約担当者の合理的な裁量判断に より決定されるべきものと解するのが相当である。

衆議院・参議院法務委員会会議録

  • 協会は公益的であり、競争関係に立つことは不相当。(法務省 青山第三課長)
  • 外部に発注するとすれば受託できるは土地家屋調査士(協会)しかないわけであり報酬規定が一本に決まっていれば随意契約でいいはずである。 一律に何割減ということで決めれば、競争入札という問題が起こってこないと考える。(法務省香川民事局長) 
  • 一県に一個の協会を設立ということが公益性という面から適当であり、調査士協会が発注官庁・官公署等と契約をする時に協議をしてということは、随意契約的なものを予想されている。(法務省 枇杷田民事局長・青山第三課長) 
  • 仕事の対価として受け取る報酬と、社員が受け取る利益の配分というものとは違うという意味では営利法人ではない。それからもう一つ、営利法人でない公益法人の場合で も、収益事業は行う。収益事業という面におきましても、それは、ある仕事を官公署からもらって、そして実際にやる者に仕事をさして、それに報酬を払って差額が自分の収 益になるという形で事業を行う形で、収益事業を行う公益法人と言える。(法務省 枇杷田民事局長)
  • 個人調査士がいろいろ公共団体に働きかけ、自分の仕事として受託しているのが相当あり、過当競争的なこともあり相手が公共団体でありますので、いまわしいことになつて も困る。(法務省 香川民事局長)

    『有利な価格』
     土地家屋調査士の報酬の基準は、土地家屋調査士法第15条第4号において会則として定められ、同法第15条の2第1項の規 定により法務大臣の認可制となっているものです。当協会は発注官公署に対し、報酬額の運用基準として、上記の適正な基準価格の2割を減ずることにより、時価に比べて著し く有利な価格を提示しているものであります。(中央用対連からの示された報酬額もこれに沿ったものとなっています。)

    『単価契約を随意契約とすることについて』
     登記測量業務は、最終の登記事務を視野に入れて法律的素養と測量技術を兼ね備えた者が責任をもつて実施する必要があり、 境界確定に必要な登記所を始めとする官公署の資料調査、権利関係者の調査や、関係土地所有者との現地立会等において業務 量が変化することがあるなど、あらかじめ業務量を確定することが困難であることから、契約方法は実績に応じてそれに要し た経費を請求するという単価契約方式によることが妥当であると考えるものです。

    『公益法人との随意契約』
     「土地家屋調査士及び公共嘱託登記土地家屋調査士協会の公共性」に掲載のとおり、当協会は公益を目的として設立された民 法法人でありますので、国との随意契約について予算決算及び会計令第99条第16号、第102条の4第7号を準用していだくことを要望いたします。

    【別添資料ファイル】
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    添付資料(problemsreport.pdf 11,776 バイト)