土地家屋調査士及び公共嘱託登記土地家屋調査士協会の公共性について
研究委員会委員長 伊 藤 博 雄
不動産登記制度における表示に関する登記の意義は、不動産の権利の客体とされる土地及び建物の状況を常時正確に把握して、これを公示することによって不動産の取引の円滑安全を図ることにあります。 (連合会報1997,11号P20顧問香川保一先生,日本加除出版Q&A(上)P335)
したがって不動産登記法においては、不動産登記の表示に関する登記について所有者に申請義務を課しているものがあり、それは登記の機能から云って単なる私法上の義務ではなく、すぐれて公共性の高い公法的義務であります。(連合会報1997,11号P20顧問香川保一先生)
不動産登記の表示に関する登記の申請及びその前提として必要な調査及び測量等の作業は、専門的な知識と技術を要するものが少なくなく、決して容易なものではないので、所有者がその申請義務を容易に適正履行することができるよう、国家が配慮し土地家屋調査士法により調査士制度を設けているものであり、土地家屋調査士は所有者の依頼を受けて、上記の業務を代行することとなっております。(連合会報1997,11号P20顧問香川保一先生)
その土地家屋調査士法第1条は『この法律は、土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。』としております。 (士法)
このように、土地家屋調査士の業務はその内容からして極めて公共性の高いものであるため、その報酬基準は適正・迅速な処理を阻害せず、しかも可及的に国民の負担を軽減することを配慮したものでなければならないことから法務大臣の認可制とされております。 (連合会報1997,11号P20顧問香川保一先生)
また、土地家屋調査士法第17条の6は
『調査士は、その専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の表示に関する登記に必要な調査若しくは測量又はその登記の嘱託若しくは申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的として、公共嘱託登記土地家屋調査士協会と称する民法第34条の規定による社団法人(以下「協会」という。)を設立することができる。』としております。 (士法)
宮城県内においては定款第3条において『本協会は官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の表示に関する登記に必要な調査若しくは測量又はその登記の嘱託若しくは申請の適正かつ迅速な実施に寄与することにより、公共の利益となる事業の成果の速やかな安定を図り、登記に関する手続の円滑な実施に資し、もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。』と定め、法務大臣の許可を得て、社団法人宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会が設立されました。
このように、社団法人宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会は、公益を目的として設立されたものであり、その業務の内容は極めて公共性の高いものであります。